年金制度改正法が成立 毎年の「在職定時改定」導入

年金制度改正法が成立した。社会経済の変化や多様な働き方に対応し、公的年金制度の中立性・配慮性を高め、所得再分配機能と私的年金制度の強化を図るための改正である。主な内容は以下の通りである 。

(1)被用者保険の適用拡大:短時間労働者など中小企業で働く者も厚生年金・健康保険に加入できるように対象を拡大した。(2)在職老齢年金制度の見直し:65歳以上で公的年金を受給しながら働く者の年金額を、資格喪失を待たずに毎年10月に見直す「在職定時改定」が導入された。(3)遺族年金制度の平等化:遺族厚生年金における性別格差を解消し、子どもが遺族基礎年金を受けやすい制度設計へと見直した 。(4)標準報酬月額上限の段階的引上げ:厚生年金保険料・年金額の計算基礎となる上限月収を段階的に引き上げることで、高所得者の保険料負担と将来の年金水準の整合性を高める。(5)私的年金制度の拡充:個人型確定拠出年金(iDeCo)の加入可能年齢を引き上げ、企業型確定拠出年金(企業型DC)の拠出限度額を拡大する。(6)ねんきんネットなどオンライン施策の強化:詳細な条件入力で将来年金額を試算できる「公的年金シミュレーター」が運用され、在職定時改定や70歳時点の税・保険料イメージにも対応、等

■参考:厚生労働省|年金制度改正法が成立しました|

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000147284_00017.html